信用組合の使命は個人・中小企業向け融資を行うことです。そんな使命を持った信用組合の職員とは一体どのような能力・心構えを持った人たちなのでしょうか?

ポイントは、

①共感力

・これまでのように信用組合の側で金融サービスを作成し、一方的に提供していくだけで、組合員に満足していただける時代は終わりました。これからの時代は、組合員一人一人に寄り添ってサービスを一緒に創り出していかなければなりません。その為には、

②テーラー型提案

ここでいう「テーラー」とは、スーツを自分の体の特徴に合わせてオーダーメイドで作ってくれる仕立屋「テーラー」の持つ意味と同じになります。組合員が抱えている問題は十人十色で皆違います。これまでは、そこに画一的な金融サービスを提供してきましたが、それでは銀行などと変わらず、金利の高い信用組合は選ばれません。

では、金利ではほかの業態に勝てない信用組合はどうすれば選んでもらえるようになるのでしょうか?

その答えが、お客様である組合員と一緒にサービスを本当に必要なサービスを作り上げていくことです。その為には、自分自身はもちろんのこと、これまですでにあるサービスを受けるだけで受け身だったお客様自身にも積極的に参加してもらわなければなりません。その為には、銀行などには少ない、信用組合の強みである「担当制」が非常に強みになります。担当がいなければ、話を聞いてもらい、その情報は共有されるかもしれませんが、毎回相談する人が違う職員になるというのも少なくありません。人間は機械ではありません。そのような状況では腹の底から本心を話すことができるでしょうか?ただでさえ金銭情報というプライベートな情報を扱うのですから、こういう場合は信用組合のように、長年、集金や相談等の定期的な面談の際に、顔を合わせて信頼関係を醸成できる担当がいることは非常にプラスなことだといえるでしょう。

これからの信用組合の担当者に求められるのは、組合員一人一人のニーズ(要求)に基づき、その人用にカスタマイズされたサービスを提供する仕立屋(テーラー)のような信用組合職員なのです。

③ホスピタリティ

ホスピタリティは、日本語にすると「おもてなし」になります。これまでの資金を「貸してあげる」という対応とは正反対の考えになります。

資金を「貸してあげる」という考えでは、担保などの保証がなければ融資を忌避する傾向が強く無いります。高度経済成長期など日本経済が高成長の時代であればそれでも経営ができていたかもしれませんが、現在は成長が鈍化している時代であり、個人・法人ともに資金需要が低くなっています。

資金を借りる人がいないということは、融資の際の金利で利益を上げている信用組合をはじめとする金融機関にとっては、非常に厳しい状況になります。

ではそんな時代には、どのようなアプローチが必要なのでしょうか。それが冒頭に述べた「ホスピタリティ」おもてなしの心です、日本のおもてなしとは、相手が自覚している事(顕在ニーズ)は当然として、相手自身が未だ自覚していないような事(潜在ニーズ)に対しても先回りして気にかけてあげるような態度、一言でいうと「相手の立場に立って考える」ということだと言えます。

具体的には、現在のアベノミクス下で、相続税が不利になり、贈与税が有利になっていることを利用した相続対策を提案したり、将来的に「住宅・車・教育ローン」などを利用したいと考えていても、その考えが漠然としているお客様には、それらに必要な平均額などを簡単にまとめたA4のパンフレット(飲食店のメニューなどのようにラミネートされたものでもよい)を配布したり、窓口の待ち時間にご用意しておくだけでも、お客様である組合員のニーズを拾うことができます。

私自身、銀行にも信用組合にも口座を持っていますが、やはりどうしても金融機関は上から目線の意識が強いような気がします。その中でも信用組合は同じ目線で話をしてくれる職員の方が多いと感じました。この辺は信用組合の非営利組織、協同組織金融機関という点が影響しているのかもしれませんね。